2023年1月17日_金融株(銀行)の決算について
2023年1月17日は日銀政策公表を控えてか、上昇しましたが慎重な動きであったように感じました。日経平均こそ1%以上の上昇でしたが、マザーズ指数は下落でした。「金利」の動向に左右されるであろう、マザーズ指数の銘柄(現グロース市場)は日経平均と共に上昇とはいきませんでした。明日18日に日銀政策が公表される予定ですが、発表後の動きは要注意ですね。
この記事では、先月の黒田総裁の発言から大変注目されている金融株の中から、メガバンクの決算を見てみたいと思います。なお、本日発表された決算ではありません。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(P-8306)
メガバンクの1社、三菱UFJフィナンシャルグループを見ていきたいと思います。直近に出された決算は、2023年3月期中間決算です。経常収益は4兆3142億円(前年比45%増)、経常利益は5,910億円(前年比40%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は2,310億円(前年比70%減)でした。通期の予想は不確定要素が多いため開示していないそうで、当期純利益1兆円を目標としますと決算短信に記載されています。なお、当期純利益は前期2022/03期が1兆1,308億円で過去最高であったようです。
次回の決算発表は2023/2/2を予定されていますが、仮に明日18日に日銀の公表で「(具体的な金利上げ幅も含めて)金利上昇する施策を実施する」とアナウンスがされたとしても、上場企業が通常実施しているような上方修正の可能性は小さそうですね。
また、開示資料を確認していたところ、2022年は継続して自己株式の取得が実施されていました。直近の2022/12も取得されています。もし、今後の自己株式取得のリリースが出されるとすると、今後の業績の見通しは良好ととらえてよいのかもしれませんね。
バリュエーションを見てみますと、PBRは約0.6倍です。純利益が前年に過去最高で、今期もそれに近い水準という点を鑑みると、先行きは良好に思えます。そういう意味でもPBRは割安に思います。また、メガバンクは2017年にはマイナス金利導入や業務IT化により人員・支店の削減を打ち出し、その結果スリム化し、利益化に貢献している一面があるのではないでしょうか。
今まで、三菱UFJフィナンシャルグループをはじめとする銀行株をPBRが低いバリュー銘柄として見ていました。2017年に業務IT化を打ち出していたので、正直なところ、新たな技術の導入が遅いなと感じ、成長性という目線で懐疑的でした。ですが、それから5年が経ち、改革が進み新たなステージへ進もうとしているのかもしれません。
今後も決算内容はもちろん、メディアでも銀行業界のニュースなどは取り上げられることが多いので、情報を収集する必要があると思います。なお、すべての銀行株が過去最高益水準というわけではないので、個別にしっかり見極めが必要だと思います。
最後までご高覧いただき、ありがとうございました。